転職を考えるとき、多くの方が「どの業界を選べば良いのか分からない」と悩まれているのではないでしょうか?
転職においては自分のスキルや経験を活かすことも大切ですが、それ以上に「どの業界に身を置くか」という視点が極めて重要です。
なぜなら、いくら努力を重ねても業界全体が衰退していたり、評価されにくい環境にいると、思うようにキャリアアップできない可能性があるからです。
私たちが転職支援をしてきた中で、多くの方が「頑張っているのに昇進できない」「成果を出しているのに評価されない」「新しいチャレンジをしたいのに会社の方向性が古くて停滞している」といった悩みを抱えています。
これらは、ほとんどが業界選びの問題から生まれているのです。
なぜ業界選びが転職成功の鍵なのか?
転職は単に自分の経験やスキルを生かすだけでなく、将来的に成長が見込める業界に飛び込むことが重要です。
少子高齢化やAIの進化により、業界の市場規模や企業が求めるスキルは年々変化しています。
例えば、少子高齢化の影響を強く受けている業界や、テクノロジーの進化に乗り遅れている業界、時代のニーズからずれ始めている業界は、どんなに内部で努力しても業界全体の元気がないため、個人の成長にも限界が生まれやすいです。
逆に、成長産業や将来性のある分野では、経験が浅くても新しいポジションが空いていたり、評価される機会が増え、自然とキャリアが開けていきます。
だからこそ、これから伸びていく業界をいち早く把握し、その成長の波に乗ることが転職成功の大きなポイントになります。
2025年に絶対に行くべきおすすめな業界4選
今回は私が6000人以上の転職者を支援してきた経験から、2025年以降に特におすすめできる成長業界を4つご紹介します。
これらの業界は未経験からでもチャレンジできるチャンスがあり、将来性が高く、安定したキャリアを築けるフィールドです。
1. SaaS(サース)業界
SaaS業界とは、Software as a Serviceの略で、インターネット経由でソフトウェアを提供するビジネスモデルのことを指します。
営業支援ツールや経理会計の自動化ツール、採用管理ツールなど、企業の業務効率化を支えるシステムが含まれます。
「AIの進化でSaaSは不要になるのでは?」と思う方も多いかもしれませんが、実際は逆です。AIやDX(デジタルトランスフォーメーション)の進化がSaaSの追い風となり、これまで人手がかかっていた作業が自動化され、より便利で高機能なサービスへと進化しています。
企業側としては自社でシステム開発をするよりも、進化し続けるSaaSを導入した方が効率的と判断しているため、SaaS市場は拡大の一途をたどっています。
2025年には日本のSaaS市場が1兆5000億円を超えるとも言われており、成長が期待できるフィールドです。
また、SaaS業界は未経験者の採用に積極的です。
急拡大に伴う人手不足が深刻で、ポテンシャル重視の採用が続いています。
ただし、競争は年々激化しており、2025年の上半期以降はさらに厳しくなる可能性が高いので、今がチャンスといえます。
さらに、SaaS業界の営業職はインサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの3つに分業化されており、自分に合った営業スタイルを選びやすいのも大きな魅力です。
飛び込み営業が苦手な方や強引なクロージングが嫌な方でも、自分の適性に合った役割で活躍できます。
加えて、多くのSaaS企業はリモートワークやフレックス制度が整っており、働きやすさも抜群です。
成果主義の文化が根付いているため、若いうちから成果を出せば年収700万円から800万円も十分に現実的です。
実際にSaaS業界の営業職の平均年齢は32歳で、平均年収は約750万円というデータもあります。
このように、SaaS業界は成長性だけでなく、高収入や柔軟な働き方も実現できる、今まさに飛び込むべき最先端の市場です。
2. エンタメ業界
エンタメ業界はコロナ禍でリアルイベントやライブ、舞台などが大きな打撃を受けましたが、その一方でWebを中心としたデジタルエンタメ市場は爆発的な成長を遂げています。
代表的なものが動画配信サービスで、NetflixやAmazonプライムなどの利用者が急増し、世界中で当たり前のように利用されています。
世界のエンタメ市場は130兆円規模とされ、その約1割を日本が占めています。
これは日本のアニメやゲーム、音楽が技術産業として世界に認められている証です。
特にアニメやゲームの海外人気は年々高まっており、「クールジャパン」という言葉が示すように、日本発のコンテンツが世界中を魅了しています。
ゲーム業界もスマホゲーム、家庭用ゲーム、eスポーツ市場の拡大、さらにはVR・ARを活用した新しいゲーム体験など、技術の進化と共に新しい市場が生まれ続けています。
エンタメ業界はAIや最新技術を使う側の業界でもあります。
AIを活用したアニメの自動作画技術や、ユーザーの行動データを分析して最適なコンテンツをレコメンドするアルゴリズム、音楽制作やナレーション生成など、AIと共に新しい作品を作る分野が拡大しています。
つまり、AIに仕事を奪われるリスクがあるのではなく、AIを使いこなすスキルを持つ人材が求められる業界なのです。
ただし、エンタメ業界に飛び込む際はどの分野を選ぶかが非常に重要です。
コロナ前までリアルイベントや舞台関連の仕事をしていた方が、デジタル領域へのシフトを考えずにいるとスキルが活かせず、仕事が減ってしまう可能性もあります。
現在の転職市場で求められているのは、Webマーケティング、デジタルコンテンツ企画、動画編集、ゲーム開発など多様な分野です。
例えば未経験から動画編集を学び、YouTubeやTikTokのクリエイターを支える仕事に就く方も増えていますし、ウェブマーケターとしてエンタメ企業のプロモーションを支えるキャリアも築けます。
エンタメ業界は華やかで夢があるだけでなく、世界中に届けられる技術と共に成長できる、AI時代でも強みを発揮できる業界です。
長く活躍したい方にとって非常に有望なキャリア選択肢の一つになるでしょう。
3. 人材業界
現在の日本の転職市場は「売り手市場」と言われ、企業側が採用したいのに転職希望者が足りない状況です。
企業は優秀な人材を確保するために大量のコストを惜しまなくなっており、人材業界にとっては最高の環境が整っています。
この背景には少子高齢化という日本全体の問題があり、労働人口が年々減少する中で企業は人材確保に必死です。
特に成長産業であるIT、医療、DX関連では人手不足が深刻で、採用市場が活発化しています。
人材業界の最大の魅力は、今後も確実に伸びていく市場であることです。
人材紹介、人材派遣、HRテックといったサービスはニーズが拡大し続けています。
特にITエンジニアなど専門職の採用ニーズは爆発的に高まっており、企業間の人材争奪戦が繰り広げられている状況です。
また、人材業界は未経験からのチャレンジがしやすいのも特徴です。
営業職や販売職、接客業など人と接する経験がある方なら、その経験を武器に転職できるチャンスがあります。
人材紹介の仕事は信頼関係がすべての仕事であり、コミュニケーション力に自信がある方や誰かの人生に関わりたい方には非常にやりがいがあります。
さらに、求職者のキャリアに本気で向き合い、時には厳しい意見も伝えながらベストな道を一緒に探したり、企業側の経営課題や人材戦略に提案を行うなど、ビジネスと人の両方に深く関わる仕事です。
経験が浅くても熱意とコミュニケーション力、論理的思考力があれば活躍できる可能性は十分にあります。
まとめると、人材業界は市場の伸びしろが大きく、企業からのニーズも高く、未経験から挑戦しやすいという三拍子揃った魅力的な業界です。
これからのキャリアを考える方には間違いなくおすすめできる業界の一つです。
4. 医療業界
医療業界と言うと「医者や看護師だけの厳しい世界」と思う方も多いかもしれません。
しかし、今や医療業界は転職市場で非常に注目されている成長分野の一つとなっています。
理由は、日本が世界でも類を見ない超高齢社会に突入しており、それに伴って医療サービスの需要が年々増加しているからです。
さらにコロナ禍を経て人々の健康意識が大きく変わり、予防医療、遠隔診療、在宅医療など医療サービスの在り方自体が大きく進化しています。
ただし、医療業界全体が抱える大きな課題は慢性的な人手不足です。
特に地方や専門性の高い領域ではスタッフの確保が追いついていません。
ここで注目したいのは、医療業界=医療従事者だけの世界ではないということです。
医療機器メーカー、製薬会社、介護福祉関連サービス、そして近年急成長中のヘルステックなど、多様な企業・職種が存在しています。
特に最近ではITやデジタルのスキルを活かせるポジションが急増しており、エンジニア、マーケティング、営業、プロジェクトマネージャー、カスタマーサポートなど、異業種からの転職も増えています。
CT画像を3D化し、ゴーグル越しに患者の体内を可視化したり、VRで手術のシミュレーションを行うなど、まるでSFのような技術革新が現場で進んでいます。
こうした技術革新により、医療現場にはITエンジニアやUIデザイナー、システム開発者、プロダクトマネージャーといった全く新しい職種のニーズが次々と生まれています。
医療に対する専門知識は入社後にキャッチアップ可能なケースも多く、むしろ業界外の視点を持った人材が求められている状況です。
製造業で機械のセンサー管理をしていた人がIoTを活用したリモート健康管理企業に転職したり、Webマーケティングをしていた人が健康系アプリの運営企業に転職する事例も増えています。
医療業界はかつてないほど進化した業界となり、未経験でも挑戦しやすいフェーズに突入しています。
安心と成長性の両方を兼ね備え、社会貢献性も高い分野であり、自分の仕事が人の命や健康につながっているという強いやりがいも感じられます。
技術革新の進展によって医療業界は医療従事者だけの世界ではなくなり、多様な職種が参入して新しいキャリアの可能性が広がっていくでしょう。
異業種から医療業界に転職するチャンスは今まさに拡大しているのです。
まとめ:後悔しない業界選びのために
今回ご紹介した4つの業界は、いずれも今後の市場動向を踏まえた上で将来性が高く、未経験からでも挑戦しやすい魅力的な分野です。
- SaaS業界:AIやDXの進化により成長が加速し、未経験者も積極採用。高収入かつ柔軟な働き方が可能。
- エンタメ業界:デジタルエンタメ市場が爆発的成長。AIを使いこなすスキルが求められ、夢と技術の融合フィールド。
- 人材業界:少子高齢化による人手不足で売り手市場。未経験から挑戦しやすくコミュニケーション力が活かせる。
- 医療業界:超高齢社会で需要増加。技術革新により多様な職種が参入。社会貢献性も高く成長性抜群。
しかし、どれだけ将来性のある業界であっても、スキルや経験が伴わなければ理想の転職は実現しません。
求人を見て「自分には無理かもしれない」と不安になる方も多いでしょう。
そんな時に大切なのは、客観的な視点で自分の市場価値を知ることです。
自分がどの業界で求められる人材なのか、どのスキルが強みでどこに不足があるのかを冷静に理解することで、的確なキャリア戦略を立てやすくなり、転職活動も一歩踏み出しやすくなります。
転職は人生の大きなターニングポイントです。
後悔しないためにも、ぜひこの記事で紹介した成長業界を参考に、自分に合った業界選びをしてみてください。
また、取り上げてほしいテーマがあればコメント欄でお知らせください。
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。
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